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3.11雑感

疑似科学かどうか簡単な見分け方。一言でも「波動」という言葉使ってたらアウト。




ある方のツイートに、今回の「イェヌーファ」と「ピーター・グライムズ」と「軍人たち」が新国立劇場ベストスリーと書いてあるのを見ました。私は残念ながら「軍人たち」は観ていないので何とも云いかねるけれど、「ピーター・グライムズ」は確かに凄い舞台でした。だが「イェヌーファ」がそこまで凄かったかと言われたら、ちょっと違う感じもする。
ではお前のベストスリーはと聞かれたら?グリャコヴァの歌った「蝶々夫人」、クヴィエチェンの「ドン・ジョヴァンニ」、いろいろ思い浮かぶが「ムツェンスクのマクベス夫人」も捨てがたい。もう二位以下はどうでもいいが、一つだけ極私的ベストワンを選ぶなら何と言っても2011年4月16日の「ばらの騎士」だろう。
この年の3月11日、新浦安駅近くで単身生活を送っていた私の住まいは、液状化でトイレもシャワーも使えなくなり、余震や停電など、東北の人たちとは比べ物にならないとはいえ、それなりに大変な日々を送っていた。実に地震から一ヶ月以上、不思議と音楽を聴く気にならず、やはり衣食足りてこその音楽、たかが音楽、という思いを持ち始めていた。これではいかんと思い、思い切って行くことにした「ばらの騎士」。正直なところ、なぜいまばらの騎士か、と思わないでもなかった。オックス男爵を歌ったフランツ・ハヴラタ以外は元の海外キャストは誰も日本に来ず、大半は日本人カバー歌手。指揮を予定していたアルミンクも来ない。客観的にみてどれほどのレベルの公演だったのか今となっては判然としない。だが一ヶ月ぶりに音楽を浴びて、私はもうほとんど第1幕から泣いていた。終幕の三重唱に至っては嗚咽を堪えることが出来なかった。私だけではない。あちこちからすすり泣く声が聞こえた。
この公演の時ほど音楽のもつ力を感じたことはない。あの震災自体は不幸な出来事だったが、一方でこのような貴重な経験もした。
いつかこのブログにも記そうと思いながらようやく果たせた。
by nekomatalistener | 2016-03-15 22:39 | その他