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大阪交響楽団 第182回定期演奏会 シェーンベルク&スッペ

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あほなこと考えてるやつ多過ぎ(←人の事言えない)。





久しぶりに行った大阪交響楽団の定期。今回は「捻ったウィーンプログラム」ということで、確かに曲目の面白さに惹かれて行くことにしたのでした。


  シェーンベルク ヴァイオリン協奏曲Op.36
   (アンコール)
  パガニーニ カンタービレ
   (休憩)
  スッペ
   序曲「ウィーンの朝・昼・晩」
   喜歌劇「快盗団」序曲
   喜歌劇「美しいガラテア」序曲
   喜歌劇「スペードの女王」序曲
   (アンコール)
  スッペ 喜歌劇「軽騎兵」序曲

  指揮:下野竜也
  ヴァイオリン:川久保賜紀
  管弦楽:大阪交響楽団


ま、「ウィーン」というのなら、シェーンベルクがアメリカ亡命後に書いた本作品よりもっと相応しいものがあるのではないか、とか、シェーンベルクに合わせるのならスッペよりカールマンじゃないのか、とかいった声もあるかも知れませんが、実際のところはヴァイオリン協奏曲をやろう、という企画がまずあって、それの付け合わせをちょっと捻ってみたというのが実情かなと思います。それにしても、料理に喩えるなら、前菜もスープもなしにいきなり熟成したジビエをクラシックなソースで頂くメインが出され、その後にデザートが5皿続くといった趣、しかもデザートはいずれも甘さ控えめで見た目も地味な焼き菓子なんだがカロリーは恐ろしく高め、みたいな、実にユニークかつ楽しいものでした。私は今回の「ちょっと捻ったウィーンプログラム」というタイトルに偽りなし、と思いました。

シェーンベルクのヴァイオリン協奏曲、ヒラリー・ハーンの最近の録音は評判が良いみたいですが私は未聴。私はアモワイヤルがソロを弾いてブーレーズがLSOを振った録音を聴いてきましたが、シェーンベルクの諸作の中でも辛口の部類。これを聴いてウィーンに思いを馳せるというのは難しかろうと思っていましたが、驚くことに今回の演奏、なるほどこれならウィーンというシェーンベルクの「根っこ」の部分が感じ取れる、と思いました。特に第2楽章、スコアは2/4拍子で書かれていますが実質は紛う方なきレントラーということが実によく判りました。これは偏に下野竜也の指揮の威力でしょう。この指揮者、過去の私のブログでは松村禎三の「沈黙」、ライマンの「メデア」「リア王」の三回にわたって触れてきましたが、シェーンベルクの複雑なスコアを精密に音にしていく技には本当に感服しました。それと、先程のレントラーもそうですが、アーティキュレーションとそれを団員に伝えるテクニックが非常に適確。おそらく物凄く判りやすい指揮なのだと思う。シンプルでもったいぶったところがない。よくピアニストに関して、豊かで恰幅がよく神経質なところのない演奏をグランドマナーと表現することがありますが、下野の指揮についても似たような感じを受けます。それが細密画みたいに精緻なスコアから音楽の本質を掴みだすのでしょう。そしてシェーンベルクの場合、その「本質」というのはとりもなおさずウィーンの音楽に特徴的な「伝統」ということになるのだと思います。
川久保賜紀のソロも素敵でした。ヴァイオリンの技巧については素人ながら、どんなに困難な技巧が使われているかは想像に難くありませんが、見た目には易々と弾いているように思われます。すさまじい重音の連続のカデンツァも、幾分リズムをくずしてラプソディックな表現を取り入れて自由に弾いています。その分、何か本質的なところで失われたものがあるかも知れませんが、今回のプログラムの中に置かれたシェーンベルクの表現としては言う事がないと思います。
アンコールのパガニーニは技巧よりもカンティレーナの美しさに徹した作品。彼女がなぜこれを取り上げたのか判らないけれど、そこここに現れる甘いポルタメントがウィーン風と言えなくもないのがお洒落だと思いました。

後半のスッペはさっき甘さ控えめな焼き菓子に喩えた通り、質実剛健な音楽。楽しいだけでなく、ずっしりとした手ごたえのある音楽でした。下野の指揮も外連味はないものの、至る所で上手さに唸りそうになります。スッペで長々書くというのも野暮なのでこれぐらいにしておきますが、こうしてまとめて聴くと思いのほか良い音楽です。
アンコールは「軽騎兵」はまぁお約束ですね。時間的にややコンパクトなプログラムだったので他に「こうもり」序曲くらいやってくれないかな、と思ってましたがさすがにそれは無し。でもちょっと物足らないくらいがちょうど良いのかも。満ち足りた気持ちで家路につきました。
(この項終り)
by nekomatalistener | 2014-01-25 17:19 | 演奏会レビュー | Comments(0)
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