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バルトーク 弦楽四重奏曲連続演奏会vol.2

検索画面で「常岡」とうっただけで「常岡浩介 猫」とか「常岡浩介 にゃーにゃ」とか出てきてなごむわー。





泉原隆志率いる弦楽四重奏団のバルトーク連続演奏会の第2回を聴きました。

  2015年2月9日@カフェ・モンタージュ
  バルトーク
   弦楽四重奏曲第1番Sz.40 (1909)
   弦楽四重奏曲第4番Sz.91 (1927)

  泉原隆志(vn)、長谷川真弓(vn)、金本洋子(va)、城甲実子(vc)


同じメンバーによる第1回の様子は以前このブログに書きましたが、

http://nekolisten.exblog.jp/20248537/

今回の演奏もバルトークのフォークロア的な側面を際立たせる演奏という印象は変わりません。しかし、前回よりも技巧のほつれが少なく、音楽への踏込み方も深くなっており、完成度が格段に上がっていました。上り坂にある若い人達らしく、わずか数ヶ月の間に驚くほど巧くなっているように思いました。
私個人のバルトークの弦楽四重奏曲との出会いについては前回書きましたので繰り返しませんが、第1番についてはどうしても後の諸作に比べて、内容の割に長すぎるのではないか、といった感想を持たざるを得ませんでした。しかし、今回彼らの闘志がみなぎるような気負い立つ演奏を聴いて、初めてこの作品を飽きずに最後まで面白く聴きとおせたような気がします。このことは本当に凄いことだと思います。バルトークの、ベートーヴェン以降の弦楽四重奏曲の歴史に連なろうとする気負いが、彼らの今現在の演奏スタイルにぴたりと合致したことでこのような演奏になったのでしょう。そしてその気負いを正しく表現すれば、フォークロア的側面は体臭のように自ずと現れ出るのだと思います。もしかするとこのような表現は、技巧にも優れ、場数を踏んだベテランではなくて、彼らのような伸び盛りの若い四重奏団にしかできないものがあるのかも知れず、今回の演奏を聴けたことは実に貴重な体験であったのかも知れません。

第4番について、カフェ・モンタージュの店主がベルクの「抒情組曲」と並んで20世紀の弦楽四重奏曲の双璧といったことを口にされていましたが、これに異を唱える向きは少ないだろうと思います。もちろんショスタコーヴィチ、シェーンベルク、ウェーベルン、ブリテンはどうなるんだ、という声もあろうかと思いますが、彼らの作品がどれか一つというよりは全体として重要であるのに比べて、抒情組曲とバルトーク4番はずばり1曲対1曲のガチンコ勝負という感じがします。それだけどちらも多彩で密度の濃い作品ということでしょう。
それはともかく第4番も実に面白い演奏。彼らの演奏は、前回よりはるかに技巧的な難点が克服されているものの、精緻といった感じではなく、かなり粗削りなところも残しているのは確かだろうと思います。しかし粗削りだからこそ、この作品のもつマジャールの血の刻印がはっきりと読み取れるような気がしました。前回、私は第3番を評して「バルトークのラジカルな要素とフォークロア的要素がぎりぎりの地点で奇跡のように両立している」と書きましたが、今回の演奏を聴くと、やはりこの言葉は第4番にこそ相応しいと思います。そういった意味で、作品の本質をとらえた優れた演奏であったと思います。

このシリーズ、来る4月24日、第2番と第6番が最終回。今回も満員御礼だったそうなので、興味のある方はどうぞお早めに。
(この項終り)
by nekomatalistener | 2015-02-12 22:34 | 演奏会レビュー | Comments(0)
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